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2011年7月 8日 (金)

九電やらせメール

九州電力玄海原子力発電所の運転再開に向けて開いた説明会に関連して、九州電力の課長級社員が関連会社などに、再開賛成のメールを番組宛てに送るよう依頼した事件は、執行役員クラスからの指示を受けて実行されたことが分かってきた。

そのメールの全文を報道機関が公表している。以下にその後半部を紹介する。

 本件については、我々のみならず協力会社におかれましても、極めて重大な関心事であることから、万難を排してその対応に当たることが重要と考えております。

 つきましては、各位他関係者に対して、説明会開催についてご周知いただくとともに、可能な範囲で、当日ネット参加へのご協力※をご依頼いただきますよう、御願い致します。

 ※説明会ライブ配信websiteにアクセスの上、説明会の進行に応じて、発電再開容認の一国民の立場から、真摯に、かつ県民の共感を得うるような意見や質問を発信。

 なお、会社のPCでは処理能力が低いこと等から、是非、ご自宅等のPCからのアクセスを御願い致します。(下線は引用者)

会社のパソコンは使わず自宅から投稿しろと指示する周到ぶりが目を引く。

この一件もそうだが、3月の東日本大震災と東電福島第一原発の事故以来、それに関連した政府や各政党、電力会社などの対応については評価のしようがないばかりか、不信と不満が募るばかりである。しかも事態があまりに深刻かつ重大であり、その他のことは影が薄くなってしまう。

このブログも、他の話題を取り上げようと思った途端、そんなことよりはるかに重大なことが起こってるじゃないかと心のブレーキがかかり、かと言って震災や原発事故を取り上げれば批判、避難の論調にしかならない。それが嫌で、結果的に黙り込んでしまうことになる。

次に東京電力もそうだが、九州電力も企業ガバナンス云々以前に、実に短絡的な人材を幹部に登用している点が大いに気になる。私自身、会社組織から離れて長年月が経っているので、現在の企業文化がどのようなものか想像するしかないのだが、「部下は上司の意を体すべし」といった古臭い「風習」は健在なのではないだろうか。

上司からの「今度ケーブルテレビでやる説明会だけどな、再開にポジティブな環境作りに努めてくれ」といった曖昧な指示でも、部下は有能と認められるためにその意味するところを忖度し知恵をしぼって策を練る。その時、部下の頭に「コンプライアンス」の文字があればよいのだが、そうでなければ今回のような対応策がひねり出される。どの組織でもそうだが、幹部は自分の発言がどう解釈され、どのような行動を引き起こすのかにイマジネーションを働かせて常に注意しなければならない。

それにしても、メールで賛成投稿を依頼すれば、どこかでその事実が漏れるとは考えなかったのだろうか。もし仮に漏れて発覚することを心配していなかった―つまり、投稿依頼をすること自体に問題がないと考えていたというのであれば短絡的思考も極まれりである。

そんな先を見通せない幹部とその意を汲んで対応してしまう部下で構成される組織に原子力発電所は委ねられているのかと思うと空恐ろしくなる。

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