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2011年7月 9日 (土)

原発、中長期工程表

午後7時のNHKニュースで福島第一原子力発電所の事故に関する中長期の工程表の存在が明らかにされた。

既に公表されている短期の工程表通り、来年早々に冷温停止状態が実現した場合、現在1号機から4号機の燃料プールにある使用済み核燃料を2014年度から取り出し始め、16年度以降順次完了して行くとしている。さらに溶融してしまった1~3号機の炉内にある核燃料については10年後の2021年度から取り出し作業を開始する予定だという。原子炉や建屋などを撤去して更地に戻す「廃炉」までには数十年を要するとも明言しているそうだ。

以前、原子炉関連メーカーが福島第一原発について10~30年で廃炉にできると主張した(参考)。東芝の「10年半」は論外にしても、日立の「30年」も楽観的すぎると感じたが、おそらく中長期工程表にいう「数十年」とは40~50年以上の意味だろう。

今回明らかになった工程表には、今後解決すべき課題が山積しているとの記述もあるそうだが、それは即ち現段階ではどうやって廃炉にするのか、具体的方法が見つかっていないということの言い換えだろう。これも、素人でさえ予測がつく難題である。原子炉圧力容器の底というのは多数の配管などで非常に複雑な構造になっている。そこに溶融した燃料棒が塊となって底に溜まっているのだ。この事実からだけでも、簡単な作業でないことは容易に想像がつく。

状況としてははるかにシンプルだったアメリカのスリーマイル島事故でも燃料棒取出し作業が開始されたのは事故から5年後で、完了までに5年を要したという。福島は原子炉が3基で、そのどれもがスリーマイル島をしのぐ劣悪な環境下での作業となる。単純に取出し作業共に2倍の時間がかかるとしても、10年(準備)+本作業10年×3基で40年となる(実際には、複数の原子炉で同時進行するとか、作業員の練度が上がるなどのポジティブな要因の関与で期間が短縮されることも考えられる)。

もう一つ気になるのが、その間の地震・津波対策である。現在、福島第一原発は災害にまったく無防備の状態にある。もちろん今の状態をずっと続けることはないだろうが、何十年とかかる廃炉手順の間、発生が懸念されている東海・東南海・南海地震を始めとする大地震への備えについては万全を期してほしい。

そうした詳細については、おそらく追っかけ記事が掲載されるだろう明日の新聞でもう一度確認しよう。

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