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2011年9月30日 (金)

連続記録が途切れる時

大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー選手が続けてきた年間200本安打の記録が今年ついに途切れ、11年連続は成らなかった。

今シーズンのイチローは明らかに不調な時期が長かった。無安打試合もおそらく彼としては最も多いシーズンだったのではないだろうか。ただ報道によると「体調は良かった」と本人は語っているそうで、その言葉を額面通りに受け取るなら、今期不振の原因は精神面の問題ということになる。

同じ報道によれば、イチローは今シーズン「新たな挑戦」を目指していたということだが、ではそれが何だったのか具体的には明言していないようだ。ただ「200本安打を特には目指さない」ということはシーズン前に口にしていたらしい。そうした発言から考えるに、イチロー自身の中で「10年連続200本安打」を達成したことで「連続記録」への意欲が減退したのだろう。

どんなことでも「続ける」というのは大変なことである。ただ、初めはそれが「励み」になる。続けることがモチベーションとなり、連続が長くなるほど達成感も強くなる。だがやがてそれが徐々に負担になってくる。ましてや、日本とアメリカの野球ファンが注視する中での連続記録の維持というのは想像を絶するプレッシャーとなっただろう。

それと年齢がある。

年単位での連続記録を続けるということは、その分確実に年をとって行くことでもある。年齢を重ねるということは、どんなに努力しても様々な意味での新鮮さを失って行くことだ。初めの頃に感じていた達成感や高揚感は次第に鈍いものになって行き、周囲の期待が義務化を強いる。

イチローは来月22日で38歳になる。かつて同じプロ野球では長嶋茂雄が38歳で引退している。今年夏に引退した大相撲の魁皇も38歳だった。ほかにも38歳前後で引退したスポーツ選手は大勢いる。おそらく、38歳前後というのがプロスポーツ選手にとって身体能力の低下を、トレーニングなどでカバーしきれなく年齢なのだろう。

イチローの10年連続200本安打同様、今年途切れた連続記録がもう一つある。将棋七大タイトルの一つである「王座戦」で昨年まで19連覇を続けていた羽生善治が今年、渡辺明に敗れ20連覇という大記録を逃した。ちょうど羽生41歳の誕生日のことだった。

プロスポーツに比べると現役の寿命が長いと言われるプロ将棋だが、それでもやはり年齢の影響は免れない。(超人と言われた大山康晴十五世名人は別格だが)40代になると棋力の衰えは隠せず、公式タイトルを保持することは無論、挑戦者になることさえ難しくなるのが普通である。40歳を過ぎてタイトルを保持していた棋士は11人にすぎない(因みにこれまで「名人位」に就いた者は12人いる)。

もちろん、イチローも羽生もこのまま下降線をたどって行くような選手・棋士ではないが、残念ながら再び連続記録を作ることだけは叶わぬことになったのは間違いない。

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