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2011年10月 7日 (金)

スティーブ・ジョブズの訃報を聞いて

米国アップル社の共同設立者であり、iPod、iPhone、iPadの生みの親と言われたスティーブ・ジョブズが亡くなった。56歳だった。

私は特にアップル・コンピューターのファンではないし、これまでに所有・使用したことがあるアップルのコンピューターは2台だけ、それも大昔のことである。

それでも初めて買ったアップルのコンピューター(IIciというモデルだった)は、同時に購入したDOSマシン(NEC PC-98)と比べるとおしゃれで扱いやすく、とにかく使うのが楽しくなるようなマシンだった。あれで日本語ワープロに実用的で実力のあるソフトがあったらもっと長い期間アップルを使っていただろうが、残念ながら私の仕事には少々不向きだったのと、頻繁にハングアップするのには閉口した。

その後はPowerMacというのを一時期使っていたこともあったが、いつしか私の仕事場からアップル・マシンは姿を消していた。今所有しているアップル社の製品はiPodだけである。

なのでとてもスティーブ・ジョブズについて何かを語るなどといったことはできないが、彼が今のPC(パソコン)の元を作り、それを商業的に成功させた功労者(の一人)であったことは、日々PCを使う身としては銘記し、彼の死に哀悼の意を表さねばならない。

ただ個人的には、2005年にスタンフォード大学の卒業式で行ったあの有名なスピーチの方が印象深い(ご存知ない方はこちらをご覧いただきたい)。中でも彼のスピーチの3番目のテーマである「死」についての言葉が記憶に残っている(リンク先のビデオでは後編の冒頭に当たる)。

Every morning I look in the mirror and ask myself, "If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?"

まさに死と直面した者だけが口にできる言葉だと思う。無論誰もが頭では理解できていることであり、それが如何に重要な指針かは分かってはいる。だが実践できないのが現実だ。しかし晩年の彼はこの言葉通りに行動したのではないだろうか。またその言葉通りに行動し、それが正しいことだと言い切る実績を残してもいた。

主要メディアは例外なくスティーブ・ジョブズの死を報じ、ネット上でも数えきれない記事やブログが書かれている。Googleで「"steve jobs" obituary」と入力して検索すると1億9,200万件のヒットがある。有名なスポーツ選手や映画スターでも、その死がこれほど大きく報じられることはめったにない(近年では、反響の大きさから、2009年のマイケル・ジャクソンの死去に次ぐものだろうか)。それほどに「スティーブ・ジョブズ」の存在が現代社会、特にITやネット社会にとって大きなものであったということだろう。

ジョブズに関しては天才との評価が高いようだが、天才というよりは「発想と信念」の人だったのではないだろうか。空調設備のある大きな専用の部屋に設置して使うのが当たり前だったコンピューターを机にも乗せられるほど小さくすることができ、しかもそれを多くの人たちが買い求めるようになると信じ、その実現に邁進したという話を聞くにつけ、そう思われてならない。

さて私も早速明日からスティーブの言葉にならい、時間を無駄にしないように生きて行こう…などと言えるとよいのだが、そこは凡人―なかなか思い通りにはならない。それに私の場合、「If today were the last day of my life, would I want to do what I am to do today?」と自問しなければならないことが多く、その時きっぱり「No!」と答え、「what I am to do today」を怠れば、「Tomorrow never comes.」になりかねない。潔く生きるのは難しいものである。

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コメント

Jackさん、
いつの間にか10月です。月初めだなぁと思っていたらこの訃報が入りました。
スピーチのビデオも見ました。56歳って若いですね。ある分野のことをよく知っている人が、全く知らない人に説明するのはとても難しいことですが、ナンカイなパソコンや電器製品を誰にでも使いやすいように、と考え続けた功績はすごいと思います。でも、うちの母は、パソコンのスイッチを入れるだけでも怖いようです。母は偉大です。(゚ー゚;

投稿: pompon | 2011年10月 9日 (日) 02時38分

pomponさん

>56歳って若いですね。

そうですね、平均寿命に比較すれば人生まだまだこれからと
言える位の年齢でした。ただ彼の場合、あのスピーチの時点で
ある程度自分の人生に充足感を覚えていたような気がします。
それがあの生涯にたった1回だけのスピーチを引き受けた理由
ではなかったのでしょうか。

投稿: Jack | 2011年10月12日 (水) 17時37分

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